るり子先生のあたまん中

「いただきます」って・・・

新緑が目にまぶしい季節になりましたね。
子ども達も園生活に慣れ、色々と遊びも広がってきました。
おとなしそうに見えてたお子さんなども本性(?)を
出してくれるようになり、
「おぉ〜、なかなか本当はやんちゃなんだなあ」
なんてことが見えてくるのもこの時期ですね。

給食も軌道に乗ってきて、毎日美味しそうに召し上がっています。
でも、最近、気になることがあるんですよね・・・

平成17年7月に「食育基本法」が施行されてから、日本の教育界は、「食育」ブームのようです。
その「食育基本法」の中の「食育に関する指針」には、このような子どもであったらいいな、
と考える子どもの姿として、次のような5項目が挙げられています。

  • お腹がすくリズムの持てる子どもに
  • 食べたいもの、好きな物が増える子どもに
  • 一緒に食べたい人がいる子どもに
  • 食事作り、準備にかかわる子どもに
  • 食べものを話題にする子どもに

この5項目を読んで、私は、悲しいような、そら恐ろしい気持ちになりました。
今の子どもは、法律にしないとお腹がすくリズムがつくれないんですか・・・(トホホ)

ちょっと、話しはずれますが、
皆さんは食事の前に「いただきます」、食後に「ごちそうさま」をしていますか?
きっと、これもアンケートをとったら、恐ろしいような結果が出るように思いますが・・・
では、「いただきます」は、だれに対して言う言葉なんでしょう。
この質問を私は時々、回りにいる子ども達や大人にしてみます。
すると大抵、

  • おとうさんやおかあさんに
  • 料理してくれた人に
  • お米なんかを作ってくれた人に

という答えが返ってきます。
はい、これらも間違いではありません。
でも、もっと、大切なことが抜けてませんか?
「いただきます」は、目の前にある食べ物の「命」に対して言う言葉なんですね。
私達人間は、他の命をいただかなくして一日たりとも生きていけません。
だから、お米さん、いただきます。牛さん、豚さん、いただきます。お魚さん、いただきます。
野菜さん、いただきます。果物さん、いただきます、なんですね。
法律も出来、立派な指針も出来ました。
でも、一番のベースである「命」のことを抜きして、「食育」を指導しても
飽食時代にはなんの効果もないと思います。

今日からでいいので、ご飯の前に、
できればレストランでも、「いただきます」「ごちそうさま」と合掌してください。
大人が見本を見せれば、必ず子ども達は見習います。

私が「食育」の話しをしだすと長くなってしまうので、今回はここらへんでお仕舞い。
次回は最近の子ども達の「摂食事情」について書きたいと思っています。

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