るり子先生のあたまん中

季節はずれの五人囃子

今年も残すところ5日ほどとなりました。
皆様にとって、今年はどんな一年だったでしょうか。

光明台幼稚園は、今年は色々なイベントに挑戦してみました。
春には、日本アロマティスト協会会長の
ケミリー園子先生をお迎えして、
お母様方と楽しくて癒されるひと時を楽しみました。
好評でしたので、又、来年も来ていただけるといいなあ〜と考えています。

続いて12月には、大阪能楽協会のご協力でお能のお囃子の方4人にご来園頂きました。
当園の保護者にお囃子の笛方の先生がおられたのがきっかけなのですが、
この企画がすごく良かった!!!
子ども達(年長さんだけですが・・・)も和楽器を色々と体験させて頂きました。

しかし、この企画を立てた時、一番心配だったのは、
子ども達にお能とか言ってわかるだろうか、ということでした。
お囃子方というとわかりにくいですが、いわゆるお雛様の五人囃子のことなんです。
つまり笛・小鼓・大鼓・太鼓・お謡の五人のことです。
それで、先生たちに倉庫の奥からお雛様の五人囃子を出してきてもらって、並べてみました。
皆さんは、この五人囃子を正確にセッティッングできる自信はお有りでしょうか。
並べる順番と各楽器の持たせ方、なかなか正確にできる人は少ないようですねえ。
子ども達には、これに、お能の代表的な写真を一枚用意して、
「今度幼稚園に来てくださる方々は、この踊っている人のバックバンドなんだよお」と
各クラスでお話しを事前にしておいてもらいました。

当日、私は、もともと小鼓が大好きでしたので、ワクワクドキドキしてお迎えしました。
小鼓は、湿っている方がいい音が出るのですが、
大鼓は、カラカラに乾いていないとあのカーンという音が出ないので、
事前に電熱器で乾かす必要があるんですよ(昔は火鉢でしたが)。

まず、短い曲を演奏していただいてからいよいよ体験をさせて頂きました。
子ども達は、はじめのうち、こわごわでしたが、そこは、素直なうちの子どもたち。
小鼓の先生は、とくに子ども達を乗せるのがうまくて、
掛け声を「よ〜お」と大きな声で子ども達にも言わせて最後には、ライブのような乗りよう。
あ〜、お能もこんな風に楽しめばいいんだ…、
敷居が高く高尚で近寄りがたいという大人が抱いているお能のイメージなどは、
子ども達には関係ないのよねえと感心してしまいました。

そのうち、子ども達の楽しさに乗せられてか、
親御さんや向かいの小学校の先生方もおそるおそる小鼓などを体験し始めました。
そこで実感した事。
音が出ない!!!
太鼓は、たたけば一応出るのですが、小鼓・大鼓なんかは音が出るもんじゃない。
ましてや笛は、子ども達でも10人中まともに音が1人でれば拍手もの。
ああ、ビールびんの口くらいで事前に練習しときゃよかった…やっぱりプロは、違います。

それと、お囃子の方とお話しをさせて頂いて一味何か違うと思いました。
ざっくばらんにお話しをしてくださるのですが、
皆さん何ともいえぬ凛とした雰囲気をお持ちなんですね。
姿勢がいいというだけではなく、その人の中からにじみでてくると言いましょうか…。

私は、一時期、国際人とはまず英語が堪能であるのが第一条件で…と
躍起になった時期がありましたが、
真の国際人は、日本人としての教養を身につけていることが
第一歩であると考えるようになりました。

今回のは、ほんの触りだけでしたが、
今後も日本の伝統に触れるような機会を子ども達に提供したいと考えています。
課外教室も日本的なのをしたいなあ、
華道・茶道・香道・書道・剣道・三味線… 夢は、来年に持ち越しです。

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